「現場の声を国政へ」を徹底した4年間 石川かおり候補(北海道11区)「現場の声を国政へ」を徹底した4年間 石川かおり候補(北海道11区)

2017年の衆院総選挙で、当時の立憲民主党の女性議員最年少で初当選した石川かおり候補(北海道11区)。政治家の妻から一転、未知の世界でさまざまなハードルにどう立ち向かってきたのか。議員になってからの4年間を振り返ってもらうとともに、衆院選挙に臨む決意、女性たちへのメッセージなどを聞きました。

――政治家になられた理由をお聞かせください。

衆院議員をしていた夫との結婚を機に北海道帯広市に移り住んで一緒に活動をしてきました。夫の後援会、行事、生産者の勉強会、子どもが生まれてからは子どもたちとのイベントに参加し、地域との関わりができていました。

その中で、夫が選挙に出られなくなり、後援会の皆さんから「出馬してください」と依頼を受け、公募して、公認をいただいて、それで出馬することになりました。

自分らしくやっていこう

――選挙戦はどんな感じでしたか。

それまで専業主婦でしたので、テレビを観るのは主に子どもの教育番組で、新聞もしっかりと読む時間もありませんでした。世の中の動きと少し距離があったので、まずはそのモードを切り替えることが大変でした。急に母親が家にいなくなり、子どもたちが精神的に不安定になっていても、走り出さざるを得ない。いろいろなものを断ち切らなければいけない厳しい状況でした。

選挙区を回り、演説も回数を重ねていくうちに、聞いている人たちに受け入れられていると感じられるようになりました。実際にそう言われたこともあって、いわゆる政治家っぽい演説ではなくて、普段の生活で感じたことや経験したことを織り交ぜて話すことが一番伝わる演説なのだと気づき、自分らしくやっていこうと思うようになりました。

それで何としてもこの選挙区で勝って、(政治家を)やってみたいという気持ちが強くなりました。最後は皆さんにグッと押し上げてもらって、なんとか初陣は切り抜けたなという感じです。

コンプレックスは現場の経験で埋めていく

――実際に国会に来た時の印象は。

マスコミ出身ですが、私には政治の経験がないというのが最大のコンプレックスでした。国会に行くと2世、3世の人や、地元の名士の方などがたくさんいる。でも、30代で、普通の主婦やサラリーマンを経験した人が少ないことに気がつき、多様性を大切にする社会、国会であるならば、私みたいな存在もひとつの大事な存在になりうるのではないか、とにかく勉強して経験で埋めていけばいいと気持ちを切り替えることができました。

私の選挙区では農業、林業、水産業と1次産業があるので、現場に行って「一緒に乳しぼりさせてください」とか、介護施設などで泊まり込みの研修をさせてもらうとか、経験で埋めないといけない。とにかく現場に行くことを徹底してやってきた4年間でした。

衆院予算委員会で菅総理をはじめ各大臣に質問

――この4年間振り返って特に印象的なことは何ですか。

予算委員会で初めて質問させてもらったのが大きかったです(2020年11月4日)。1回生は予算委員会の質問にはなかなか立たせてもらえませんから、これを最大のチャンスにしなければいけないと思って挑みました。当時まだそれほどニュースになっていなかった「高収益作物次期作支援交付金」の運用見直し(※)について取り上げ、生産者から直接あるいは電話で話を聞いた困惑、不安の声を伝え、制度設計の不備を改め、本来の趣旨を踏まえた支援を求めました。

総理をはじめ政府側の答弁者との距離も近いし、大臣があんなにたくさんいるのは他の委員会にはないので緊張しましたが、自分らしくやっていこうと心がけ、なるべくきつい言葉にならないように、農作業をしながらラジオで聞いている人にも聞きやすいよう、一文は短めにするなど、気をつけました。
立憲民主党は1回生にもチャンスが多く与えられるところが素晴らしいと思います。

本会議場での初登壇や、予算委員会の質疑、党務でもいろいろな役職に関われる。私の場合は遊説局長や、『立憲フェス』の司会などで、うまく活用してくださるので、やりがいがあります。自民党が老舗の会社だとしたら、(立憲は)ベンチャー企業なので早くから経験を積めるのは最大の良いところだと思います。

※新型コロナウイルスの影響を受けた農業生産者を支援する制度。申請が相次いだことから同省は10月、交付額を減収額以下にするなど要件を厳格化、交付金を想定し、資材や機械を購入した農家に混乱が広がっていた。その後、令和2(2020)年度3次補正予算で1343億円が追加措置された。

立憲フェスでは2018年、2020年と2回続けて司会を担当(写真は2018年9月30日)

――ご家族の反応は。

私より子どもの方が順応してきてくれて、私が仕事から帰るとおにぎりを作って待っていてくれました。塩むすびが身にしみましたね。

最初は仕事の話をしていなかったのですが、最近「ママって与党?野党?」と息子が聞いてくるので、「今は野党だけど次は変わるかもしれない」などと答えています。子どもなりにも気を遣いながら仕事の邪魔にはならないように、でも心配しているというのが分かる。そこは大事なところなので、隠さずに答えられることは答えていこうと思っています。

まずは一歩を踏み出してほしい

――政治を身近に感じてもらうためには。女性へのメッセージをお願いします。

政治家のイメージは「遠い世界の人だ」と感じる人が多いと思うので、なるべく政治家がそういうイメージから脱却していく努力をしていかないと、いつまでも距離ができてしまうと思います。そのためには、なるべくいろいろな経験をした人、いろいろな年代の人が、女性も含めてこういう場にいなければいけないと思います。

私自身が「30代で、小さな子どもがいても何とかやれるんだな」という、1つのモデルになれればと思っています。これが当たり前になっていくよう、周りの環境を作ることを含めて、長く続けていける努力をしないといけない。この4年間、国政報告会を開くときも子ども連れでも参加できるよう、キッズスペースを設けておもちゃを用意したり、昼間の時間に設定したりと工夫してやってきました。社会のスタイルが変わっていくなかで、こちらから合わせていくこと、いい意味で政治のあり方を壊していくことが大事かもしれません。

2020年9月の立憲民主党の結党大会でも横沢高徳参院議員(写真右)とともに司会を務めた

――政治参画しようか迷っている方に、最後決断するための一言を。

私自身はもう、やるしかないからという覚悟と、周りにサポートしてもらえる環境がありました。不安はたくさんありましたが必死になって取り組んでいると意外と道が開けたりする。まずは一歩踏み出してみてほしいです。

どんどん時代も変わってきていますし。せっかくやりたいと思う気持ちを我慢せずに、まずは飛び込んでみたらどうでしょうか。大丈夫じゃなかったら周りの人にお願いする。そういう環境を一緒に作っていきましょう。